月を司る神である月読命を祀る神社の一つに、山形県の月山神社があります。
月山神社は出羽三山の主峰である月山に山頂に位置し、古くから山岳信仰の修験道の山としても広く知られてきました。
そんな月山神社の歴史やご利益、参拝方法などを紹介します。
月山神社の基本情報
まずは月山神社に関する基本的情報を、一通り見ておきましょう。
基本情報
正式名称 | 月山神社 |
読み仮名 | がっさんじんじゃ |
通称名称 | 月山神社 |
所在地 | 〒999-7781山形県東田川郡庄内町立谷沢字本澤31 |
アクセス | 月山8合目、羽黒口より徒歩3時間 |
駐車場 | あり 月山8合目駐車場:150台収容可能 |
開山期間 | 開山期間 例年7月1日〜9月15日※2021年は7月1日~8月31日 ※ 年度により前後するため要確認のこと |
参拝時間 | 5:00〜17:00 ※ただし2021年は7:00より16:00 |
拝観料 | 500円 ※ 本宮へ参拝するためのお祓い料として |
御朱印 | あり |
イベント等 | ・月山開山祭 毎年7月1日 ※ 2021年は神職のみで実施 ・柴燈祭 2021年は8月13日 ・本宮祭 2021年は8月14日 ・閉山祭 2021年8月31日 |
ホームページ等 | ・出羽三山神社 ・公式Twitter ・月山ビジターセンター ・羽黒町観光協会 ・つるおか観光ナビ |
その他事項 | ・閉山期間中は神職は常駐しません ・出羽三山神社月山御田原参籠所で軽食のみ取扱あり |
最新情報は公式Twitterでも公開されています。限定の御朱印頒布会の情報なども入手できるので、神社ファンはぜひ登録してみると良いでしょう。
(画像引用:公式ツイッター)
出羽三山公式ツイッター
月山アクセスマップ
月読命を祀る月山神社とは
(画像引用:出羽三山神社 http://www.dewasanzan.jp/publics/index/27/)
月山神社は、明治時代に神仏離散するまで日本で広く信仰されていた修験道が修行のために山籠りする、霊山の一つです。
月山神社、羽黒山、湯殿山の三山を合わせて、出羽三山と呼ばれています。
今なお修験道が修行に訪れる険しき月山
月山神社は、出羽三山の主峰である月山の頂上に鎮座します。途中までは公共の交通機関や自家用車でも出向くことができますが、月山の8合目からは徒歩で山頂まで登ります。
かなり険しい山道で、約3時間ほどの登山ですから、歩くための服装で出向くことは欠かせません。
月山神社は、7月から9月の短い期間しか参拝できません。しかし月山の自然は大変厳しく、7月下旬でも積雪があることがあります。
各観光ガイドなどでも、登山靴や防寒着、レインコートなどの雨具、といった登山装備は欠かせないと注意喚起するほどです。
もちろん道すがらコンビニエンスストアや売店もありません。食料や飲料も用意して、登山に挑む覚悟で参拝しましょう。
出羽三山は霊山の名の通り、一般的な日常とは一線を画した大変厳しい環境が目を引きます。それ同時に、古来から亡くなった方の霊に会える場所として、長く信仰された幽玄たる霊山です。
それはまさに異界。非日常に足を踏み入れる覚悟で臨むとよいでしょう。
月山神社の歴史
標高414メートルの羽黒山、標高1,984メートルの月山、標高1,500メートルの湯殿山からなる出羽三山。
月山はこの主要部を占め、最も標高が高く険しい山岳の頂上に本宮があります。
太古の昔、出羽三山は火山爆発を繰り返す怒れる山として、人々から恐れられていました。中でも月山は、世界でも珍しい半円形のアスピーでガタ火山です。しかし時とともに落ち着きを取り戻し。それに伴って火山灰を栄養とする樹木や高山植物が生い茂る、自然の豊かな土地になっていきました。
その美しさ。そして神秘性に魅せられた人々は、月山を全ての命が帰る場所であると考え、信仰が始まったとされています。
それから時をさらに経て、推古天皇元年、593年に奈良の都から日本海の荒波を超えて訪れたのが、第32代 崇峻天皇(すしゅんてんのう)の皇子であり、出羽三山の神社の開祖として祀られる蜂子皇子(はちこおうじ)です。蜂子皇子は、聖徳太子のいとこに当たると言われています。
蜂子皇子は、今で言う修験道が行うような厳しい修行を積んだ後に、出羽国の国魂である伊氏波神(いではのかみ)と稲倉魂命(うかのみたのみこと)の二神を祀る出羽神社(いではじんじゃ)を作り、開祖として崇められるようになったとされています。
なお月山神社は、天照大神の弟神の月読命(つきよみのみこと)を。
湯殿山神社は大山祗命(おほやまつみのみこと)、大己貴命(おほなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)の三神を祀っています。
ただ気候が大変厳しく、月山と湯殿山は夏期を除いて閉山しています。冬季の参拝ができないた、羽黒山頂に三山の神々が合祭されました。また広大な山内には、百八末社といわれる社が鎮座。八百万の神々が祀られています。
出羽三山は、羽黒山までは現世利益を、月山で死後の体験をし、湯殿山で新しい命をいただおて生まれ変わる という、一連の命の営みを司る霊山です。
月山神社のご利益
出羽三山のうち、死後の体験をする月山。そのいただきに本宮を構える月山神社には、死後の世界を司る神である月読命が祀られています。
月読命は魂や夜、水も司ることから、漁業や農業の神としても信仰されてきました。
月山神社のご利益として、月山神社前の看板にも以下のように記載されています。
・天下泰平
・国土安泰
・産業発展
・五穀豊穣
・大漁
また卯年に月山神社本宮に参拝すると、より一層のご利益を期待できるという言い伝えもあります。
ただし気候の厳しさゆえに、開山期間は例年7月1日から9月までの3ヶ月弱程度。2021年には。8月末日で閉山しています。夏期でも積雪が見られるようすは、まさに霊山。
並々ならぬ覚悟を胸に、彼岸に踏み込む覚悟での参拝が求められるのかもしれません。そして大きなリスクを追っても参拝する分、日常では味わえない感慨やご利益が期待できるのでしょう。
月山神社へのアクセス
文明とともに闇を遠ざけ、死まで遠ざけようとしてきた私たち現代人。しかし月山、そして出羽三山には、文明の光も届かないほど壮大な自然神が、今なお息づいているのかもしれません。
そんな月山の山頂に位置する月山神社へのアクセスを確認しておきましょう。
月山神社の住所
月山神社:山形県東田川郡庄内町立谷澤字本澤31
地図で見ると、この辺りに位置します。
かなり険しい山々の真っ只中に位置するのがわかります。
では、実際にはどのように行ったら良いのでしょうか。
交通手段別にアクセス方法を紹介します。
月山神社へのアクセス方法:電車編
・JR鶴岡駅下車→、羽黒月山線(庄内交通のバス)で、月山8合目下車(乗車時間、約1時間半程度)→徒歩で月山本宮へ(徒歩約3時間)
※ 時刻表と経路は庄内交通バスのサイトで確認してください。時期によって変動があるようです。
※ バスは、7月1日〜9月26日までの運行です。詳細は庄内交通バスのサイトでご確認ください。
月山神社へのアクセス方法:自家用車編
・山形自動車道鶴岡ICから鶴岡・羽黒線~月山高原ライン経由で約28km
・庄内あさひICから約30km
・庄内空港から約47km
→月山8合目駐車場に停車→徒歩で月山本宮へ(徒歩約3時間)
※ 月山8合目駐車場の利用可能台数は150台です。空車状況を確認の上ご利用ください。
月山へのアクセスする際の注意点1
出羽三山は大変自然が厳しく、それは現代人や都会暮らしの人は容易にはイメージできないほど激しいものがあります。夏期でも降雪があり、積雪することも稀ではありません。
天候には十分ご注意の上、無理せず、しっかり体調と装備を整えて出向いてください。
月山はあくまでも、修験道の山伏が修行をする場所として選ぶほどの自然の厳しい環境です。
月山へのアクセスする際の注意点2
登山シーズンが始まると、駐車場のある月山8合目までが大変混雑します。駐車場にも限りがありますから、事前に確認すると安心です。
また、つるおか観光ナビでは、混雑状況の予測もしています。こういった情報も参照して、月山神社への参拝にあたっては綿密な計画を立てることが、参拝成功の鍵をにぎります。
まとめ
畏敬の念とともに人々から崇められ、感銘すら与えてきた出羽三山。そしてその最高峰の山岳の頂きに鎮座する月山神社。
この世のものとは到底思えないとまで言わしめた異界へ、生涯で一度は訪れて見たいものです。
しかし大変自然が厳しく、軽装では参拝を全うすることは到底叶いません。万全の登山の準備を整えて、修験道の一員になった心持ちで厳かな山の神々に会いに行くとよいでしょう。
コメント